ありがとう小橋選手! 鉄人伝説ついに終幕
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ありがとう小橋選手! 鉄人伝説ついに終幕

(2013年5月12日)

試合終了後、大歓声に笑顔で応える小橋選手 (2013年5月11日 日本武道館)

  2013年5月11日。鉄人がついに伝説の幕を閉じた。
  25年に及ぶ現役生活のピリオドをその目に焼きつけるために、日本武道館に集まったのは1万7000人の大観衆。いつでも、どんなときでもファンの信頼を裏切らなかった小橋建太選手は、やっぱりこの日も私たちを裏切らなかった。ただただ無事にリングを降りてくれればいい。集まったファンは、きっと同じ思いだったろうと思う。でも、メインの試合が始まって、小橋選手が躍動し始めると、私たちは思い出さずにはいられなかった。両膝負傷で長期欠場を余儀なくされ、不屈の闘志で復帰を果たした2002年2月の武道館を。腎臓がんを克服して復帰を果たした2007年12月の武道館を。
  小橋選手は、いつだって私たちの想像を超えて、素晴らしいプロレスを見せてくれた。この日もそうだった。小橋選手が「完全燃焼する」といえば、必ず成し遂げてくれるのだ。それこそが、小橋選手とファンとの信頼関係だった。39分59秒を「完全燃焼」した小橋選手の引退試合は、私たちにも一片の悔いはなかった。
  「コバシ」コールの大合唱に乗せられて、年甲斐もなく大声を出した。もう「コバシ」の名を叫ぶことはないだろう。

■ いつだって一生懸命。努力の人

  小橋選手は、いつでも一生懸命だった。練習も試合も、ファンサービスだって一生懸命だった。どんなことでも、一生懸命に努力していた。
  私は、「努力は誰にでもできる」という個人的価値観を持っていた。努力に才能は関係ない。だから、努力をひけらかす人が大嫌いだ。「自分なりに頑張っている」という言葉が大嫌いだ。


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